在籍しているスタッフ、旅立たれた方々によるコラムを掲載していきます。半年に1、2本と、ゆるい目標で。

 

 

1:トカラ遠征記・ギプスの理由

 

院1年の春、「ミナミヤモリの体サイズ」に関する研究を行うことになった私は、手元にあるヤモリ液浸標本の体サイズをノギスで延々と測り続けるという作業に没頭していた。手持ちの標本をすべて処理し終えた私が、追加の標本を頂きに戸田さんの下へ行った際に、「ここらで刺激的なやつを」と手渡されたヤモリの液浸標本は異常に巨大だった。「この子らでっかいっすねえ」「その言葉を聞きたかったんだよ」ニヤリと笑う戸田さん。私はその笑みにフト不吉なものを感じたが、マー気のせいだろうなと納得して標本瓶を受け取ったのであった。(つづく)。

2:ミヤコカナヘビ目撃情報の提供の呼びかけ~テレビを見てくださった方からの応援

 

去年の春,まだ国内希少野生動植物種になる前のミヤコカナヘビ調査でのことです(ミヤコカナヘビの詳しい情報については,同ホームページ内の項目「ミヤコカナヘビHP」をご参照下さい).ミヤコカナヘビはそうとう個体数が少ないと考えられ,既知の生息地でも1度の調査で複数の個体を観察できることは滅多にありませんでした.(つづく).

3:ヤモリ研究室の日常

 

 指導教員の専門がヤモリの分類なので,自分も少しはヤモリのことがわからないと恥ずかしいなと思うのですが,国産種でさえ,特にGekko属ヤモリは判別形質を見なければ区別することができません.外国産となると,いよいよ全部ミナミヤモリでいいや,となります.それでも,やはり種によって模様や体型(尾の太さや顔の形)が微妙に異なるのか,見慣れると見た目の雰囲気だけで種同定できるようになるようです.(つづく).